第12話「打たなくていい。」
7月26日前後。
毎朝、自分一人で着替えるようになったころ。
入院生活を、ある意味劇的に変えるものに出会った。
音声入力AIだ。
脳出血で右半身に麻痺が残った。
右手は、利き手だ。
スマホもパソコンも、それまでは当たり前のように使っていた。
でも、右手が動かなくなってから、文字を入力することが大変になった。
調べたいことがある。
誰かに文章を送りたい。
頭の中には言葉があるのに、それを文字にするのに時間がかかる。
そんな状況を変えてくれたのが、音声入力AIだった。
元妻からの勧め
仕事柄、AIは日頃からよく使っていた。
だから、AIそのものが初めてというわけではない。
ただ、音声入力AIは使ったことがなかった。
以前から興味はあった。
そんなことを知っていた元妻から、ある音声入力AIを勧められた。
Typeless(タイプレス)。
話した言葉を文字にしてくれるAIだ。
せっかくなので、まずは使ってみることにした。
これ、便利じゃないか。
使ってみると、思っていた以上に便利だった。
文字を一つ一つ打たなくても、話すことで文章を入力できる。
右手が使えない今の自分には、これがありがたかった。
スマホでも、パソコンでも。
これまで文字入力に使っていた手間を、大幅に減らすことができた。
使い始めると、もう止まらない。
あれも音声入力。
これも音声入力。
気がつけば、かなり使いまくっていた。
そして、無料で使える枠を使い切ってしまった。
もう一つ、探してみた。
便利さを知ってしまうと、以前の入力方法に戻るのはなかなか大変だ。
そこで、同じように無料で使える音声入力AIを探してみた。
見つけたのが、Superwhisper(スーパーウィスパー)だった。
こちらも導入してみることにした。
今はTypelessとSuperwhisper。
この二つの無料枠を活用しながら、音声入力を使っている。
入院生活が変わった。
右手が急に動くようになったわけではない。
タイピングが以前のようにできるようになったわけでもない。
それなのに、スマホやパソコンを使うときの負担が大きく減った。
文字を打つ代わりに、話せばいい。
自分の中では、かなり大きな変化だった。
リハビリでは、動かない右手を少しでも動かせるように練習している。
それは、これからも続けていく。
でも、右手が回復するまで、何もかも我慢して待つ必要はない。
今できないことを、別の方法でできるようにする。
そんな選択肢があった。
打たなくていい。
7月20日には、一人でトイレに行けるようになった。
7月26日からは、毎朝一人で着替えるようになった。
そして、音声入力AI。
自分の生活を変えたのは、身体の回復だけではなかった。
道具を変えることでも、できることは増やせる。
TypelessとSuperwhisper。
この二つを使い始めたことで、入院生活は劇的に変わった。
右手は、まだ思うように動かない。
でも、文字は入力できる。
打たなくていい。
それだけで、できることがずいぶん増えた。
※この記事は、私自身が音声入力AIを利用した体験の記録です。無料利用の条件や機能は、利用時期やプランによって変わる場合があります。
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