投稿者: taka
第16話「50メートルが遠い。」
脳出血による右片麻痺からの歩行リハビリ。療法士の補助で250〜300メートル歩いていたのに、自分で右足を出すようになると50メートルでへとへとに。それでも、自分の足で歩く感覚は何ものにも代えがたかった。
第15話「出ない。」
8月に入ったころ。 気になることが一つ増えた。 便が出ない。 それまでの自分には、ほとんど縁のない話だった。 入院する前は、毎日のように出ていた。 だから、 「最後に出たのはいつだろう」 なんて考えたこともなかった。 便
第14話「こんなに動くんだ。」
7月31日。 右手や右腕のリハビリは、毎日続いていた。 作業療法士さんから、 「力が入っていますよ」 と言ってもらうこともあった。 褒めてもらえるのは、もちろんうれしい。 でも、自分の中では、今ひとつ自信にならなかった。
第13話「まっすぐ歩いているつもりだった。」
7月29日前後。 右足は、少しずつ動くようになっていた。 膝を伸ばす。 そして、そのまま数秒間、足をピンと張る。 それはできるようになった。 少し前まで動かなかったことを考えれば、確実に前には進んでいる。 でも、自分の感
第12話「打たなくていい。」
7月26日前後。 毎朝、自分一人で着替えるようになったころ。 入院生活を、ある意味劇的に変えるものに出会った。 音声入力AIだ。 脳出血で右半身に麻痺が残った。 右手は、利き手だ。 スマホもパソコンも、それまでは当たり前
第11話「毎日、着替える。」
7月26日。 回復期病院に転院して、ちょうど1ヶ月が経った。 7月20日には、トイレの見守りが外れ、一人で行けるようになった。 そして今度は、毎日服を着替えることにした。 それも、看護師さんにお願いするのではなく、自分一
第10話「自分のタイミングで。」
入院していると、当たり前だったことが、当たり前ではなくなる。 朝起きること。 服を着替えること。 そして、トイレに行くこと。 特にトイレは、なかなか大変だった。 行きたいときに、行けない 7月20日までは、一人でトイレに
第9話「前に進んでいるらしい。」
指が動いた。 自分の目で見て、作業療法士にも確認してもらった。 これは、分かりやすい変化だった。 でも、身体の変化は、いつも自分で分かるものばかりではない。 自分では何も変わっていないように思っていても、リハビリをしてい
第8話「指が動いた。」
右手が動かない。 発症してから、ずっとそうだった。 腕を動かそうとしても、指を曲げようとしても、動かない。 頭の中では、動かしているつもりなのに。 右手は、何も応えてくれなかった。 それでも、動かそうとすることはやめなか
第7話「ロボットじゃない。」
回復期病院でのリハビリが始まってから、毎日が訓練の繰り返しだった。 右手は相変わらず動かない。 腕も、指も。 病室では車椅子に座り、右手のひらに歯磨き粉のチューブを乗せて、握るところをイメージしていた。 「動け」 そう念