第11話「毎日、着替える。」
7月26日。
回復期病院に転院して、ちょうど1ヶ月が経った。
7月20日には、トイレの見守りが外れ、一人で行けるようになった。
そして今度は、毎日服を着替えることにした。
それも、看護師さんにお願いするのではなく、自分一人で。
服はレンタルにした
自分は一人暮らしだ。
入院するとき、服をどうするかという問題があった。
娘に服を持ってきてもらい、使った服を持ち帰って洗濯してもらう。
そういう方法もある。
でも、それでは娘の負担が大きくなると思った。
だから、病院のレンタルを利用することにした。
服は病院から借りる。
レンタル料金は、着替え1回につき250円という仕組みだった。
洗濯も自分でする必要がない。
ただ、レンタルですべてがそろうわけではなかった。
靴下だけは、お願いする
病院のレンタルには、靴下や下着がなかった。
下着については、まだ紙パンツを使っていたので問題なかった。
でも、靴下はそうはいかない。
どうしても洗濯が必要になる。
幸い、靴下はもともと大量に持っていた。
2週間分くらいはある。
そこで、靴下だけは娘に洗濯をお願いすることにした。
1週間に1回、使った靴下をまとめて渡す。
洗濯してもらったものを、また使う。
そんなやり方で、入院生活を送っていた。
着替えは週に2回だった
それまでは、毎日着替えていたわけではない。
着替えるのは、お風呂に入る月曜日と木曜日。
週に2回だけだった。
リハビリで汗をかくこともなかったので、特に着替える必要性も感じていなかった。
着替えも、看護師さんにお願いしていた。
でも、退院したら一人暮らしに戻る。
そのとき、自分で着替えられなければ困る。
いずれは、コインランドリーで洗濯をすることもできるようになりたい。
まずは、毎日着替えるところから始めよう。
そう考えた。
最初は、作業療法士に見てもらった
いきなり一人で始めたわけではない。
最初の1回は、作業療法士に着替えの様子を見てもらった。
自分なりに、これならできる。
そういう確信を持てた。
そして7月26日。
朝起きて、一番初めに着替えることにした。
紙パンツを脱いで、新しいものに履き替える。
ズボンを履き替える。
そして、上着も着替える。
今まで看護師さんにお願いしていたことを、全部自分でやってみる。
右足から、右手から
実際に一人でやってみると、思った以上に時間がかかった。
紙パンツやズボンを履くときは、思いどおりに動かない右足から先に通す。
その後で、健康な左足を通す。
上着も同じように、動かない右側から。
まず右腕を袖に通す。
それから頭を通して、最後に左腕を通す。
これが、なかなか難しい。
右腕をある程度の高さまで袖に通しておかないと、服が身体に引っかかって、なかなか下まで下りてこない。
以前なら、何も考えずに着ていた服だ。
でも今は、順番を間違えるとうまくいかない。
一つ一つ、考えながら着替える。
朝の30分
最初のころは、着替えにずいぶん時間がかかった。
しかも、着替え終わったら終わりではない。
手や足が硬くなっている。
その硬さを取るために、ストレッチやケアもする。
着替えと、その後のケア。
全部合わせて、朝の約30分。
毎朝、それだけの時間を使うことになった。
それでも、続けることにした。
退院してから、毎日看護師さんに着替えをお願いするわけにはいかない。
自分の身体で、自分の生活を送る。
そのための練習だ。
毎日、着替える
7月20日には、一人でトイレに行けるようになった。
そして7月26日。
今度は、一人で毎日着替えることにした。
右手も右足も、まだ思うようには動かない。
それでも、できることは少しずつ増やしていける。
いつか、コインランドリーに洗濯物を持っていき、自分で洗濯をする。
そんな当たり前の生活に戻るために。
まずは、朝起きたら服を着替える。
毎日、着替える。
それが、自分で決めた次の一歩だった。
※このブログは、私自身の脳出血とリハビリの体験を記録したものです。症状や回復の経過には個人差があります。
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